イギリスで夫の薬が処方されるまでのお話。
前回の記事でNHSが崩壊していることを書いた。
今日は、NHSお勧めの(怒)プライベート医療にかかったお話。
(プライベート医療を勧める時点で、本当にNHSが終わっていることがお分かりかと。)
プライベートドクターならすぐに診察してもらえるだろうとの予測で、スペイン等から帰ってきてから予約を取った。
(スペインに行っている間にもしかしてNHSから予約が取れたと連絡がくるかも、という淡い期待もあったが、やっぱり無かった。)
場所は車で1時間くらいの場所にある病院だが、ZOOM診察もできるということだったのでZOOMを選んだ。
薬のおかげで症状がほぼ出ておらず、どうせ現地に行っても見せることがない。
病院ので初診料の値段も書いてあったので知っていたが、なんと200ポンド(3万2000円!)。
聞いてないよ、と言えない明瞭会計。
予約の電話を入れてから1週間後に初診。
オンラインで医者とZOOM、私も参加。
発症はイギリス時代だが、日本で処方された薬が効いていて、イギリスに戻ってきても飲みたいことなどを説明。
その医者も、彼の医学的知見でもこの薬は副作用が少ないなど他の薬より優れているので、この薬を出してあげたいと言ってくれた。
ただ、NHSのガイドラインとして、他の2種類の薬が効かなかった人にだけ処方されるとされているので、そこが問題になる、と。
夫にも効いていること、5年近く飲んでいる事実があるから、Special dispensation(特別投薬)というやり方で、NHSに連絡してくれることになった。
ベストは尽くすが、自分の経験ではNHSでの待ち時間は50週間くらいかかるから、その間に薬がなくなる場合、プライベートで良ければ自分が処方すると言ってくれた。
気になるプライベート処方のお値段:
836ポンド/月 (約14万円)
2508ポンド/3か月 (約40万円)
2つのことで絶望・・・。
18週間の待ち時間より伸びている・・・。
皮膚科にかかるまで1年、って。
プライベートに行ってリファーバックすればいい、って言ってくれたGPの言葉は嘘だった?
実際、この地域の皮膚科のリファーラルは50時間だとNHS病院のウェブにも書いてあった。
そしてお金。
プライベートで処方してもらうとなると、年間160万。
日本での窓口3割負担から計算すると、10割負担になったとしても3か月で18万円くらいの薬なので、イギリスでの薬代は日本の倍である。
日本の方が安いと分かった時点でプライベート処方はお断りして、初診を終えた。
終わった時は、200ポンドすらドブに捨てた、という気になった。
日本で全額負担(または高い国民健康保険に加入して、3割負担)で薬をもらうしかないと、泣きそうになりながら日本の国保の料金を調べることにした。
結局世の中お金かよ。
FIRE生活が終焉しそうなこの薬代の金額に、本当に絶望した。
続く。